ヤングガンガン平成18年第13号掲載
【再読シリーズについて】
ブログを始めて最初に書いた紹介記事が第138局「好機」(2015-02-06)でした。
咲-Saki-ブロガーの端くれとしては、それ以前の137局+番外編などもコンプリートしたくなりますよね。
というわけで、第1話「出会い」から順に、本編インターバルのタイミングで更新していくことにしました。
あくまで自己満足のためですが。二年ぐらいかけて、第137局に追いつきたいと思います。

和の本心

退部してください
和からこう言い渡されて、戸惑う咲さん。
もう話すことはないとばかりにそのまま立ち去ろうとする和に、追いすがります。

なぜあの時国士無双を和了らなかったのか、顔も見せずに問い詰められて、
優希の名前を出して言いわけをする咲さん。
あの子とは中学から一緒でしたが
そんなにヤワな子ではありません
友達を侮辱されたみたいで心外です
みんなにも楽しんでもらいたくて、となおも言いわけを続ける咲さんに
あなたが手加減してると「私は」楽しくありません…
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ここね、単行本の1巻でいちばん好きな和。
前局で西田記者が言ってた「認めたくない」「意識」に、この瞬間自分でも気づいてしまったんだと思います。
二コマ目がなければ咲さんが引いてるように見えてしまうのは措いときましょう。
巻を追うごとに、普段の和にもデジタルの女神(のどっち)っぽさが出てきて、無感動・無表情キャラ化していきますが、その根柢には
  • 麻雀が好き
  • 強い人と打って楽しみたい
という思いがあることを知った上で見ると、和というキャラがとても愛おしくなります。

和の本心を知った咲さんは「う…うん 今度から全力でやる!」と応じるのですが
ここで和が照れ隠しのように言ったこの一言。
全力でなければ全国には行けませんよ
これに、咲さんは激しく反応します。
それは困る…困るよ…
私…全国に行きたい…
全国に行かなきゃダメなの!!

約束

全国に行かなきゃダメな理由。

母・姉と別居中で、二人は東京にいる。
出会って日が浅い和に家庭の事情を打ち明ける咲さん。
本心をぶつけてくれた和に、心を開いたのでしょうか。
一度…
一人で会いに行ったことがあるんだよ
お姉ちゃんは一言も口を利いてくれなかった──
きっとまだ私のこと怒ってるんだ…
「お姉ちゃん」が何を怒っているのか、九年近くが経過した現在も、読者にははっきりと明かされていません。
本当に怒っているのかもわかりません。
ただこの姉妹には素直に会って話ができないようなわだかまりがあり、その上で互いの存在を気にかけていることを思わせる描写が時々見られます。
でも麻雀なら
麻雀を通してならお姉ちゃんと話せる気がする!
和は、咲さんの姉が去年のインハイと春季大会の二冠優勝者、宮永照であることを知ります。
「強豪校とか選手とか詳しくない」和でさえその名を知る、高校生の頂点、宮永照。
彼女と「麻雀を通して」話したい、そのために全国に行きたいという咲さんの強い望み。
あなたに()色々あるんですね…
「も」──和にも全国を目指す事情のあることが示唆されます。
原村さんも?
……じゃあ…
私…もっと頑張るから…
原村さん 一緒に行こう!
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そして、誓いの指切り。

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清澄高校の主力二人が、ひとつの目標のもとに和解しました。
(第3局へつづく)